唯だひとつ 永きに弥る ものがたり

ポケモン剣盾における構築記事やメモ落とします。

8世代環境適応型ドヒドイデ概論

 〇プロローグ

 皆さんこんにちはミエイです!この記事が本ブログ初投稿の記事となりますので、このページに辿り着いてくださった全ての皆さんに「初めまして」のご挨拶をば。簡単に自己紹介しておきますと、普段はYouTubeにてポケモン剣盾を実況しつつ、今作から本格的に育成論や構築記事記事の投稿を志すポケモントレーナーです。嫁はヨーギラス、相棒はドヒドイデ、今日も元気にワイルドエリアを駆け回っています。以後どうぞよろしくお願い申し上げます。

 最近の私的ニュース速報はといえば、50BOX孵化したヨーギラスが、遂に色違いとして生まれてきてくれたことです。↓↓

 最高にかわいいですね。愛称は「わさびちゃん」です。

 さて、ここまでヨーギラスの話題を多めに引っ張ってしまいましたが、本ブログの主役は、第7世代より私の相棒を務めるピンクの小悪魔こと「ドヒドイデ」です。

  (左:通常色 右:色違い)

 図太いHB型が汎用型として知られるこちらのポケモンですが、今回はHD型としてこのポケモンを育成するメリットをご紹介していきたいと思います!

 

0.導入(記事概要) ~何故この記事を書いたのか~

〇8世代環境で「受け」戦術の需要が高まるため

〇7世代に比べ、持ち物判定の必要性が高まるため

ドヒドイデへの愛故

 7世代から8世代への世代変更に伴い、Z技・メガ進化の廃止及びダイマックスの導入が果たされ、対戦環境が激変するに至った。すなわち瞬間火力の低下と、一時的な耐久力の増加が見込まれ、対面構築のゴリ押しが非常に難しくなったと言える。また、Zクリスタル、メガストーンの消失によって、全ポケモンの型の増加、持ち物の判定が難しくなったというわけである。これにより、「受け構築」と「偵察行動」の需要が高騰しており、その両方を担うことができるドヒドイデの性能に目を付け、本稿を提示することとなった。環境適応型のドヒドイデのポテンシャルをとくと味わっていただきたい。

1.ドヒドイデの基本データ

ドヒドイデ(英語名:Toxapex)

分類   :ヒトデナシポケモン

タイプ  :どく / みず

ガラル図鑑:No.308

全国図鑑 :No.748

1.1.性能

種族値   :H50 A63 B152 C53 D142 S35 =Total:495

高さ    :0.7m

重さ    :14.5kg

特性    :ひとでなし / じゅうなん / さいせいりょく(隠れ特性)

性別比   :♂50% / ♀50%

卵グループ :水中1

1.2.耐性

4倍  ‐

2倍  電 / 地 / 超

等倍  無 / 草 / 飛 / 岩 / 霊 / 竜 / 悪 

1/2倍   炎 / 水 / 氷 / 闘 / 毒 / 虫 / 鋼 / 妖

1/4倍 ‐

無効   ‐

1.3.所感

 七世代から登場した耐久特化型のポケモン。どれだけ耐久性能に優れているかは嫌というほど後述するが、一例を挙げるとすれば、B無振りの状態でも陽気ドリュウズ地震を確定耐えするほどである。(持ち物補正なし)まったくもって末恐ろしいことこの上ない。

 タイプも非常に優秀な毒・水の複合タイプであり、無効タイプこそないものの8タイプ半減という驚異の性能を誇る。この性能で抜群で入ってしまうのが2倍3タイプのみというのだから、もうぶっ壊れ性能といってしまっても差し支えないだろう。タイプ受けという観点で見れば間違いなくトップレベルに優秀なポケモンである。

 さらに特性も耐久ポケモン向けの優良特性を獲得しており、夢特性であるところの「再生力」は控えのポケモンと交代することで自動的に全HPの1/3を回復するというおまけつきという始末。もはやポケモン対戦における「受け」という文化を数段階進化させた功労者といっても過言ではないだろう。

2.ドヒドイデの型紹介[HD特殊受け]

性格 :おだやか (D↑ A↓)

特性 :さいせいりょく

努力値:H252 / B4 / D252

実数値:157‐61‐173‐73‐213‐55 (個体値:31‐0‐31‐31‐31‐31)

持ち物:くろいヘドロ

技構成:どくどく / じこさいせい / ねっとう  / トーチカ

2.1.採用理由・型コンセプト

〇採用理由
※受け構築を使用する前提での採用理由となる。
(対面構築を使用する上ではこのポケモンは十分に真価を発揮できない為、満足な採用理由を提示できない)
①トーチカ及び圧倒的耐久による偵察能力の高さ
②回復ソースが豊富であることによるサイクル性能(受け出し性能)の高さ
③有利不利が明確であることによる補完のしやすさ
 
〇型コンセプト(このポケモンの役割)
・出来るだけ多くのポケモンに対応する。
・型が豊富な相手のポケモンの役割を把握させる。
・状態異常と恒常的回復行動により、相手の高耐久ポケモンを突破する。
・有利不利を予め把握し、役割を確立することで選出失敗を抑制する。
2.1.1.何故HB特化型でないのか
 ドヒドイデの型としてHB特化物理受けが主流であることは言わずもがなであるが、この型が汎用系とされてきたのにはしっかりとした理由が存在する。それを踏まえた上で、今作でHD特化のドヒドイデを採用するメリットを示したい。
 まず、以下のデータを見て欲しい。第七世代、USUM(ウルトラサンムーン)環境において避けては通れなかった対ミミッキュ戦におけるダメージ計算である。
 
    VS   「世はZ技時代‼」
A↑↑シャドークローZ:69~83%
シャドークロー:18~22%
(参考:黒いヘドロによるHP回復量:6%)
 
このデータは、「ドヒドイデミミッキュに対して受けだした際に剣舞を積まれ、ミミッキュにシャドークローZを打たれる」という、最もダメージのかさむルートにおいて、ドヒドイデ側が「黒い霧→自己再生」という最良の対応を行うことでギリギリ受け切ることが出来たことを示している。この事実は第七世代でシングルバトル使用率トップ1位に君臨し続けたミミッキュを対策するために、ドヒドイデに対してHB特化調整を施さざるを得なかったと言うことを示唆している。
 では、第八世代でもトップメタを張るミミッキュについて、ドヒドイデを受け出した場合を考えてみたい。以下が今作における対ミミッキュに関するダメージ計算になる。
 
   VS  「世はダイマックス時代」
A↑↑ダイホロウ:60〜71%
ダイホロウ:30〜36%
(参考:黒いヘドロによるHP回復量:6%)
(参考:ドヒドイデ側がB↓時のダイホロウ:46〜54%)
 
 なんとダイマックスという新仕様が実装された今作では、例えHBに特化したドヒドイデであってもミミッキュに対して対面から勝つことができなくなってしまったのである。(先程と同様に受け出しターンに剣舞を積まれて次ターンにDMされる、八世代において最もダメージのかさむルートを想定している。ドヒドイデの最良行動パターンも前作と代わりなし。)これはミミッキュに限った話ではなく、ダイサンダーやダイサイコの追加効果に各種フィールド付与効果が付いたことで、高火力弱点ATをドヒドイデ1体で完封することが今作では不可能になったと言って差し支えないだろう。
 このように、今まで(前作まで)HB特化調整を施す事によって受けが成立していたポケモンに対して、今作では役割を持てない、といった事態が頻発している。その為、このポケモンを運用する上での考え方を改める必要が出てきており、結果として生まれた運用コンセプトが「有利不利を明確化し、不利対面は別なポケモンに対応を委託する」であるのだ。具体的に今作で対面処理を諦めたポケモンは以下3種類に大別され、いずれもドヒドイデのBの努力値調整で確定数をずらすことができないポケモンになる。
 
①強力な積みAT(例:ミミッキュ) 
②高火力鋼AT(例:ドリュウズ) 
③特性はりきり(例:パッチラゴン) 
 
 しかしこのままではドヒドイデの役割が第七世代の劣化のそれとなってしまう。そこで目をつけたのが特殊方向における役割範囲の拡張である。端的に申し上げると、「Bに努力値振っても意味ないならその分Dに振って色々なポケモンに役割を持ちましょう」という事になるわけである。ここでも一例を挙げてその有用性を説明しておこう。以下のデータを参照されたい。
 
VS 
陽気A極振りドラパルト vs HB特化ドヒドイデ
珠ドラゴンアロー:37〜45% 
 
陽気A極振りドラパルト vs HD特化ドヒドイデ
珠ドラゴンアロー:46〜56% 
 
臆病C極振りドラパルト vs HB特化ドヒドイデ
珠10万ボルト:53〜63%
 
臆病C極振りドラパルト vs HD特化ドヒドイデ
珠10万ボルト:46〜55%
 
さて、以上のデータからHDに特化させた方がドヒドイデの役割が増えるという事実がお分かり頂けたであろうか。因みに、黒いヘドロ持ち、自己再生トーチカ搭載のドヒドイデは、自己再生とトーチカを交互に使用することで相手からダメージを貰った後、次にダメージを貰う前に62.5%のHPを回復することができる。従って、今回の例に示されたように「殊、相手のポケモンの型が判別できない時には」HB特化のドヒドイデよりもHDドヒドイデの方が汎用的に活躍することができるのである。
 この事実はHD特化型のドヒドイデが偵察性能に優れていることを示しており、今作のドヒドイデ運用コンセプトの一つである「有利不利を明確化し、不利対面は別なポケモンに対応を委託する」ともシナジーのある活躍が見込めるというわけなのだ。
 以上なような理由により、今作ではHD特化型のドヒドイデがHB特化型の同ポケモンに比べて汎用性という点で非常に優れていると感じるのである。
 

2.2.性格

 前述のコンセプトに則り、穏やか(D↑ A↓)で確定。

2.3.特性

 耐久性能が格段にあがる「再生力」で確定。

 一応通常特性についても言及しておくと、「ひとでなし」は攻撃型特性の為、今回は採用を見送り、「柔軟」は麻痺にならないという優良特性ではあるが、発動機会が受動的に左右されてしまうため、能動的に効力の恩恵に預かることができる「さいせいりょく」を優先的に採用されたい。

(蛇足:もし通常特性の色違いを授かった場合は、これも能動的に使用が可能な「ひとでなし」を採用して攻撃型での育成を検討するのが良いと思われる。※諸説あり)

2.4.努力値・実数値・個体値

 回復ソースを多く持つこのポケモンの性質上、HD特化での採用で確定。

 採用理由・コンセプト欄でも述べたが、このポケモンは多くのポケモンを幅広く受ける事を念頭に置き、初めから受けを成立させる事が難しいポケモンの処理を控えに任せる事を想定している為、対面的な耐久調整は基本的に必要ないと考えられる。寧ろ型が豊富に存在する環境トップメタに君臨するポケモンの攻撃を余裕を持って耐え、型判別とその後の行動保証を確実にする為、HD特化で運用して差し支えないだろう。

(蛇足:Bに36だけ努力値を割くことによって意地ドリュウズ地震確定耐えくらいまで調整が可能だが基本的にお薦めはしない)

(追記:再生力による回復量を最大にし、かつ奇数調整する場合はHに220だけ振って、HP実数値が153になるように調整を施すことができるが、基本的にHP極振りする方がメリットを多く内包すると思われる)

2.5.持ち物

 耐久力を上げるため、「黒いヘドロ」で確定。トーチカと併せて利用することで相手の抜群技や高威力な技も安定して受けられるようになる。

 まとわりつくを採用してしめつけバンドを持たせる型も存在するが本稿では取り扱わないこととする。(まとわりつくを採用しない理由に関しては後述のとおり)

2.6.技構成

確定欄

・どくどく:変化/威力-/命中-/PP16

 毒・鋼タイプ以外の特殊型、耐久ポケモンへの遂行技。こちらのターンに余裕がない場合や、余裕をもって受けが成立している場合は物理型のポケモンに挿すこともある。挑発持ちや特性マジックガード、マジックミラーには注意。毒タイプの毒々は必中。

じこさいせい:変化/威力-/命中-/PP16

 ドヒドイデの回復ソース三種の神器(自己再生/再生力/黒いヘドロ)の中でも最高効率の優れ技。

 

選択欄①

・ねっとう:特殊/威力80/命中100/PP24

 30%追加効果の火傷付与が優秀な特殊技。火傷を引いてしまえば例えHD振りといえど並みの物理アタッカーは受けきれるので最有力候補はこの技。忘れられがちだが、自身のこおり状態も直すことができる便利技。(相手の氷も溶かす。)PPがそこそこ多いのも耐久ポケモンへの採用理由としては追い風。尚、他の水技に関しては、命中率、PP、追加効果の有用性を鑑みて採用を見送ることとする。

・まとわりつく:特殊/威力20/命中100/PP32

 貴重なロック技。猛毒状態のダメージ量リセットを許さない、毒・鋼タイプに対してもスリップダメージを与えられるという点はこの技の大きな強み。ミストフィールドの効果も受けず安定したダメージを見込める。しかし実際の使用感としては永続的に効果が続くわけではないため、熱湯火傷と有用性を天秤にかけると熱湯に軍配が上がる。

 もう少し具体的に記述すると、この技を打ちたい鋼タイプ・毒タイプに関して、

     →本技を打つ余裕がない。強いて打つのであれば熱湯火傷を引きたい。

→はねやすめで受けられる。熱湯火傷で十分。

     →どちらでもいい。強いて言うならPPの多い本技のほうが有用か。

     →どちらでもいい。大方が物理型なので焼けば鈍いを積まれても安全。

       →本技を打つ余裕がない。

      →本技を打つ余裕がない。

          →本技を打つ余裕がない。強いて打つのであれば熱湯火傷を引きたい。

以上のような考察を行うことが可能。

 

選択欄②

トーチカ:変化/威力-/命中-/PP16

 ドヒドイデの専用技にして守るの上位互換。上述の通り、ドヒドイデの「偵察性能」の根幹を担う技なので個人的には確定技。さらに今作では相手のダイマックス(以下DM)を無理矢理見るための技として、採用優先度は高め。ただし後述の黒霧を切ってしまうと身代り持ちの積みアタッカーに対して手も足も出なくなるため、控えのポケモンでの対策が必須になる。候補としては特性天然のポケモンや音技を覚えた高火力or高速アタッカーが挙げられる。

くろいきり:変化/威力-/命中-/PP48

 積みアタッカーへの明確な回答。ただし今作ではDMとギミック構築の相性があまり良くないことから積み構築が数を減らしていること、不意のDMによる瞬間的な火力アップに対する対策への重要性も相まって、採用価値が7世代に比べると落ちていると感じる。いずれにせよ本枠はパーティー単位での考案が必須。

3.ドヒドイデのダメージ計算と立ち回り

 対ポケモンごとに考察を行う。全てのパターンを考慮すると解説が煩雑になるため、火力アップアイテムの考察は基本的に拘りアイテム、達人の帯、命の珠のみ考慮し、それ以外のアイテムについては文章によって補完することとする。急所に関してもここでは恒常的に考慮しないものとする。また、相手のポケモンは特に断りがない限り全て特化状態(個体値Max性格補正あり努力値252振り)を想定する。

 ドヒドイデは基本的にDMを使用せずに闘うポケモンとなっているため、こちらがDM権を切る場面は能動的には想定しないものとする。

 尚、以下は2019年12月29日にシングルバトル専門のポケモンメディア「ポケモンソルジャー」から発表されたランクマッチ1000試合分(同年12/14~12/29)データの統計情報である。このようにランクマッチにおいて頻繁に対面することになるポケモンに関して考察していきたい。

f:id:mieiyoutube:20191230143831p:plain

シングルバトル使用率(20191214-20191229/マスボ級のみ集計/母数:1000試合)

3.0.役割対象外

            

 以上のポケモン達は基本的に「ドヒドイデで見ようとするとこちら側がパーティー単位で不利になりかねない」性能を持っているポケモンである。原則として基本的に「物理で抜群をとってくるポケモン地震、思念、ワイボなど)」は基本的に受けることが難しいという事を覚えておきたい。積み構築、高火力(地面・電気・エスパー)AT、挑発、トリック持ちについては別途対策が必要。(トリック対策については後述)

3.1.対ドラパルト

〇初手トーチカ安定。(竜舞されたら物理受けに相手を任せる)

〇DM権が切られない限りはほぼ全ての型に関してトーチカ自己再生で半永久的に受けきる事が可能。ハチマキ物理アタッカー型は無理。

〇受け出し:火力UPアイテムを持っている場合タイミングを読む必要がある。

エレキフィールド:対面からであれば受けきれるが毒々を打つ余裕はない。

ダイマックス:物理型の場合はダイホロウのBダウン解除、特殊型の場合はEF下ダイサンダーの回避行動をとる必要がある。

 

以下控え目C252振りのダメージ計算(単位:%)

  無補正 メガネ
ダイサンダー 61.9-73.0 59.8-70.0 80.1-95.2 -
EF下ダイサンダー 80.9-95.2 77.7-91.7 確1 -
10万 35.6-42.0 42.6-50.2 46.4-54.7 50.9-61.1
EF下10万 44.5-53.5 53.5-64.3 57.9-69.4 66.2-78.9
ダイドラグーン 40.1-47.7 - 52.2-61.7 -
流星群 36.9-43.9 - 47.7-57.3 55.4-65.6
C↓↓流星群 19.1-22.9 - 24.8-29.9 27.3-33.1
状態異常時祟り目 36.9-43.9 - 47.7-57.3 -

以下意地A252振りのダメージ計算(単位:%)

  無補正
ダイドラグーン 51.5-61.1 66.8-79.6
ドラゴンアロー 42.0-49.6 54.7-64.9
ダイホロウ 51.5-61.1 66.8-79.6
A↑ダイホロウ 76.4-90.4 99.3-確1
シャドーダイブ 36.3-42.6 47.1-55.4

 現状、ドラパルトの型を判別することは非常に困難であるが、初手守るを選択することにより、だいたいの型判別を行うことが可能となる。ドラパルトの初手行動として予測できるのは①DM(ダイサンダーorダイホロウ)、②通常攻撃技、③鬼火、④壁展開、⑤竜舞、⑥蜻蛉or即バック、このあたりであろう。①・⑤の場合はヒトデ単体で受けきる事が非常に難しい為、後続のポケモンに処理を任せることが賢明であるが、それ以外の場合はヒトデ単体で処理できるケースがほとんどである。

 ドラパルトの多くはヒトデの型をHBと予測して最初の技を選択する為、初手行動でDMしないとヒトデを崩せないことを悟り、次手(トーチカターンからカウントすると3ターン目)でDMしてくる傾向にある。必ずしも以上のような展開になるわけではないが、以上を予期して3ターン目は自己再生を選択できると良い。(急所に当たらない限り、ドラパルトは如何なる手段をもってしてもヒトデをワンパンできない。)DMターンさえ枯らしてしまえば、その後のドラパルトはヒトデ1匹で見ることができる。

 尚、EF下での受け出し、拘りアイテムドラパルトへの受け出しは抜群技を打たれないタイミングで行わなければならないので、択勝ちする必要がある。

※因みに環境にいる殆どのドラパルトは最速個体なので、技の威力はは全体的に数%程度カットされると考えて良い。

3.2.対サザンドラ

〇初手トーチカ安定。(理由後述)

〇身代わり悪巧み型:霧非搭載の場合、100%勝てない。(霧搭載型でも相当キツい)

〇火力UPアイテム:珠型はギリ受かる、メガネは受からない。

ダイマックス:ノーアイテムでもヒトデ1匹ではDMターンは枯らせない。

※どうしてもヒトデ単体でDMを枯らす立ち回りをせざるを得ない場合は、相手のDMに対してこちらもDM権を切らなくてはならないことを覚えておきたい。

以下控え目C252振りのダメージ計算(単位:%)

  無補正 メガネ
ダイアーク 42.6-51.5 - 55.4-66.8 -
C↑ダイアーク 64.9-76.4 - 84.7-99.3 -
悪の波動 26.7-32.4 - 35.0-42.0 40.1-47.7
ダイドラグーン 46.4-55.4 - 60.5-71.9 -
流星群 42.6-51.5 - 55.4-66.8 64.9-76.4
C↓↓流星群 21.6-26.7 - 28.0-35.0 32.4-38.2
ダイサンダー 57.3-68.7 68.7-82.8 74.5-89.1 -
10万 40.7-48.4 49.0-57.9 52.8-63.0 59.8-71.3

※特性浮遊のためサザンドラにはフィールド補正が乗らない。

※ダイサンダー/10万ボルトの火力は、それぞれダイアース/大地の力と同等。

 先に結果から申し上げておくと、残念ながらヒトデ一匹でサザンドラを見ることはなかなか難しい。例えば道具補正なしでも10万ボルトが半分弱のダメージとなるため、こちらが毒々をさしつつ相手からの攻撃を受けきる事が難しいことは容易に想像がつくだろう。(火力UPアイテムを持っていたり、DM権を切られた瞬間、こちらの受けが成立しなくなる)加えて、タイプ一致のダイアーク(確定Dダウン)による崩し性能や、最近流行りの身代わり悪巧み搭載のサザンドラまで考慮すると、最初から無理やりヒトデ1匹で見ようとしないほうが賢明というものである。

 因みに身代わり悪巧み型(H188振り)であっても、初手トーチカに合わせて身代わりを置いてきたサザンドラに対してスカーフニンフなどを後投げすることができれば3ターン目に無傷でサザンドラを突破できる。

(臆病ニンフのハイボでDMサザンも確定1発:188~221%)

 また、既に相手がDM権を切っている場合や型が割れている場合(フルアタ型が一番好都合)、裏のポケモンによって既にサザンドラに毒が入っている場合などはヒトデでトーチカ自己再生ループを行うことにより対面で打ち勝つことができるため、対サザンドラ戦において重要なのは控えのポケモンとの連携プレイであると言えるだろう。

3.3.対ロトム

 

〇高確率でヒトデ1匹では受けきれない為、電気に強いポケモンと組ませることが必要

〇持ち物が割れていない場合、トーチカ安定。

ダイマックス:ノーアイテムでもヒトデ1匹ではDMターンは枯らせない。

〇耐久型(きのみ/チョッキ持ち):毒まもで完封することが可能

〇攻撃型(帯/メガネ):素直に撤退。ヒトデ1匹で見ようとするとパーティーが壊滅する。

以下控え目C252振りのダメージ計算(単位:%)

  無補正 メガネ
ダイサンダー 70.0-84.0 91.7-確1 -
10万 53.5-62.4 64.3-75.1 77.7-92.9
放電 47.1-57.3 56.6-68.7 70.0-84.0
ボルチェン 42.0-49.6 50.3-59.8 62.4-73.8
ドロポン 15.9-19.1 24.2-28.6
リフスト 38.2-45.8 57.3-67.5
オバヒ 19.1-22.9 28.6-33.7

 ※特性浮遊のためロトム族にはフィールド補正が乗らない。

 ロトム対面は非常に煩雑な対応を強いられる。以上のダメージ計算からもわかるように、耐久調整しているロトムであればドヒドイデ1匹で見ることができるが、火力特化タイプだと、受けるどころか確定で落とされてしまう可能性も十分にありうる。そこでロトム対面意識をしたいのが「パーティー単位でみる」という意識と「早めに型を割る」という意識だ。

 相手の型がわかっていない場合、ドヒドイデはトーチカ安定。(仮に帯&初手DMされると致命傷を負うため。)ここで、トリックを打ってきたり悪巧みを積んできたり、ボルチェンで様子見してきたり、と相手から情報アドバンテージを引き抜くことができるわけである。この時、それぞれの選択肢に対して、ある程度強いポケモンを控えに用意しておくのが重要だ。例えば剣舞搭載型の襷ドリュウズが挙げられる。ロトムは不利対面であればボルチェンで場を整えることができるため、この1ターンにパーティー単位でアドを作れるポケモンは、対ロトム戦を考える上で必要不可欠な戦術となるだろう。このようにして、攻撃型のロトムは他のポケモンに処理を任せるのが最適解となる。この時のヒトデの役割はあくまで「偵察」となるが、これによって控えのポケモンの運用方法が変わってくるのだから重要な役割といえる。(ロトムが耐久型の場合はヒトデ1匹で完封できる。)

 と、ここまで書いたが、環境に蔓延るロトムの型は数が多く、裏を返すとヒトデが最も苦手とする控え目C特化型のようなロトムの存在も「一定数」しか存在しない。意外と臆病での運用や10万ボルトを切っている型なども存在する為、あくまで個人的な見解に過ぎないが「意外とヒトデ1匹で受けきれる」という場面がそこそこ存在することを覚えておいてもらいたい。

3.4.対トゲキッスバンギラス等(弱点保険AT)

 

〇絶対に弱点保険を発動させない

〇DMは控えのポケモンと連携してみるのがベスト

以下ダメ計

意地A特化バンギ

ダイアース  :73.8-87.8%

ダイロック  :55.4-65.6%

ダイアーク  :55.4-65.6%

地震     :57.3-67.5%

エッジ    :42.6-50.3%

かみ砕く   :34.3-40.7%

控え目C特化キッス

ダイジェット :42.0-49.6%

ダイフェアリー:21.0-24.8%

エアスラ   :24.8-29.2%

マジシャ   :13.3-15.2%

 見ての通り「弱点保険」を発動させなければ基本的にある程度受けきる事ができる。(バンギが地震を搭載していて連続で高乱数を引かれると受けが成立しなくなるため、再生力を使ったHP管理が必要)尚、ダイマックスに関しては他のポケモン同様、1匹で見るのが厳しい場面も出てくるので、控えのポケモンとの連携が必須。また、各々、竜の舞や悪巧みといった、積み技を覚えている場合がある為、ヒトデ側に黒霧を搭載していない場合は素直に特性てんねんなどのポケモンに処理を任せたい。

3.5.対ジュラルドン・ラプラス等(抜群技搭載AT)

  

控え目C特化ジュラルドン

ダイサンダー :56.0-66.2%

10万     :39.4-47.1% (帯まで見れる/メガネはキツい)

控え目C特化ラプラス

フリーズドライ:35.6-43.3%(メガネ最高乱数以外は受けが成立)

控え目C特化グレイシア

フリーズドライ:47.1-57.3%(帯の時点で受けるのがきつくなる)

控え目C特化ギャラドス

ダイサンダー :36.9-44.5%

10万     :25.4-30.5%(メガネでも受け可能)

意地A特化ギャラドス

ダイアース  :71.3-84.0%

地震     :54.7-64.9%(火力UPアイテムなし/高乱数引かれなければ受けられる)

 どのポケモンに対してもいえることだが、基本的に相手のポケモンが火力UPアイテムを持っていなければ受けが成立する。又、ダイマックスは控えのポケモンと一緒にターンを枯らすという動き方が基本形になる。尚、特殊ギャラに関してはエレキフィールドの補正が乗らないこともあり、ヒトデ単体で見られる場合も存在する。ここから考えられることとしては、本章冒頭で述べたような地震や10万などへの対策に加えてフリーズドライへの耐性をパーティー単位で持てると非常に良いという事である。今作ではフリーズドライを打つことができるポケモンの数が限られているため、対策は意外と容易にできる。

3.6.対パルシェンヒヒダルマ等(積みAT)

  

 

A↑↑意地A特化パルシェン

氷柱針  :41.4-50.9%

ロクブラ :57.3-70.3%

A↑↑↑↑↑↑意地A特化ヒヒダルマ(※not五里霧中)(腹太鼓後)

ダイアイス:確1

氷柱落とし:74.5-87.8%

地震   :確1(こちらがDMしても確1)

A↑↑↑↑↑↑意地A特化ヒヒダルマ ダルマモード時(腹太鼓後)

氷柱落とし:82.1-96.8%

A↑↑↑↑↑↑意地A特化コオリッポ(腹太鼓後)

氷柱落とし:50.9-60.5%

諸刃   :確1

思念   :確1

 黒い霧を搭載していない場合は絶対に勝てない為、別に積みアタッカーへの回答を用意する必要がある。霧を搭載していた場合でも、腹太鼓ATに関しては後投げから霧を打つことが許されないので、高速ATや特性天然に任せるのが無難。尚パルシェンに関しては、からをやぶった後の行動が氷柱針だった場合に霧が間に合う。ロクブラ非搭載の場合は後投げからでも間に合うので見極めが重要となる。(トーチカの有効活用)

3.7.その他

3.7.1.対こだわりトリック

 基本的に控えのポケモンでトリックを流せるなら流したい。(特性粘着など)それがままならない場合にドヒドイデ側が留意しなければならない点は以下3点。

 ・相手側に先攻トリックを決められるため、そのターンに使用した技で拘ってしまう。

 ・もう一点が黒いヘドロを相手に渡すことになる為、回復ソースが減る。

 ・相手に渡した黒いヘドロを、自陣の非毒タイプにトリックされる恐れがある。

この3点である。以上のことに留意してトリック持ちと闘っていきたい。実はお互いに残ポケ数が1体である場合など、こちらが自己再生で技を固定してしまえば、相手側を黒いヘドロのスリップダメージで倒しきる事ができるので慎重な立ち回りが求められることを覚えておきたい。(後日追記予定)

3.7.2.対挑発持ち

 挑発されるとヒトデ側は熱湯を打つことしかできなくなるので、挑発読みで控えのAT型ポケモンに交換するなどの立ち回りが求められる。しかし、相手が必ずしも挑発を搭載しているというわけではないので、トーチカで様子見をしたり、熱湯を選択して最低限の行動保障を保ったりすることが重要。

3.7.3.対耐久ポケモン

 泥沼化し、基本的にPP勝負、TOD勝負となる。技のPPは最大まで増やし、技選択を早めに行うよう心がける必要がある。

※毒タイプに毒を入れられる特性腐食(エンニュート)や毒が入らない毒及び鋼タイプには要注意。

 

〇エピローグ

 如何でしたでしょうか!?HDドヒドイデの有用性が伝わっていれば幸いです。これからキョダイマックスや未解禁の夢特性が解禁されることもあり、環境の変化は著しいものになることが予想されます。私もその環境の中で、最適たりうるドヒドイデの型を模索できればと思っておりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 近々、このドヒドイデを使用した動画も撮影する予定ですので、その際はぜひ以下のチャンネルからヒトデちゃんの雄姿をご確認くださいませ!

www.youtube.com

 何かお気づきの点がありましたら、私のTwitterミエイ@ソード実況 (@Miei_pokemon) | Twitter」やこちらのブログに併設されているお問い合わせフォーム「お問い合わせフォーム - ミエイ’s Blog @ポケモン」までご意見お寄せいただけますと幸いです。

 それではまた次の記事でお会いしましょう!ここまで読んでくださった全ての読者さんに感謝です。